眠ってた物欲再燃! テンション上がりまくり!! ~池袋PARCO・パルコミュージアム『大ラジカセ展』

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終了間際(会期は12/27まで)なのでホントは記事にするつもりもなかったんですが、
あまりにも自分の中がハイテンションになり過ぎてしまい吐き出さずにはおれなくなってしまったのでリポートします!!

東京は池袋PARCO本店7F・パルコミュージアムにて開催されている『大ラジカセ展』へ行ってきました。

中身はその名の通り、いわゆる「ラジカセ」=ラジオカセットテープレコーダーを一堂に集めたコレクションの展示。

もともとラジカセコレクターの松崎順一氏(正しくは『家電収集家』、と呼ぶらしい)のコレクションをメインに、みうらじゅん氏や安齋肇氏、水道橋博士氏などサブカル系(?)著名人らのラジカセ愛・カセットテープ愛をも紹介したような雑多かつ小規模な展覧会なんですが、これがまたニッチな層には脳幹直撃のシロモノ。

その松崎順一氏はいぜんからラジカセのビジュアル本をいくつか出していて、筆者もかなり以前に氏の著書を入手している。

筆者保有の松崎氏の著書『ラジカセのデザイン』

これは最初に出た版で、今は増補版が発行されてる様子。

ラジカセのデザイン! 増補改訂版 (立東舎)
ラジカセのデザイン!  増補改訂版 (立東舎)こちらが現行の増補改訂版。

ま、とにかく写真撮影オッケーだったので撮ってきた画像を並べちゃうんで、会場の雰囲気を推して知ってください。





並んでいるのは、’70年代から…だいたい’80年代くらいのものですかね。その名の通りの「ラジカセ」ばかり。
展示内容はCD搭載の初期までがせいぜいで、MDだのディスクマンだのとかデジタル系はバッサリと削ぎ落とした思い切りのいい内容。

ウォークマンは80’sの象徴。

これ、今の若い人たちなんかはフツーに「レトロかっけー」くらいの印象しかないだろうと思うんですが、あの時代の小学生~高校生くらいだった者にとっては、ホントーに親の財布から金を盗んででも喉からネットランチャーを出すほど欲しかったメカばかりが並んでるんですよぉお!!!

殊に時代時代の各メーカーの代表的なモデルなんかも現物が並んでいて、昭和オヤジな自分などは、陳列されている製品群を目にしただけであの時分に「欲しかった」「ゲットしたい」という情念だけがなぜか呼び覚まされてずっとテンションが上がりまくり状態に。

横幅50cmくらいか。とにかくデカいことがステイタスだった

松本零士の漫画に出てきそうなデザイン
こんな珍種も!

あの頃心ときめかせ羨望の眼差しでヨダレ垂らしながらショーウィンドゥを眺めてたメカばかり。その現物がこれでもかと並んでる。
もーぜんぶ欲しい。眺めてるだけじゃ不満。

脳の回路が暴走して、まともにじっくり展示を見ることなんてとてもできませんでした…

 

あの時代のカタログも壁一面めいいっぱいレイアウト。

当時の各メーカーの総合カタログなどなど

もう、本体がなくてもこの一連のカタログを眺めるだけですでに心が満足になっちゃうんですが…

あの当時、電気屋に行くたびにこのようなカタログを持ち帰り、いろいろと妄想を広げたものだったなぁ(しみじみ)

たぶんいくつかは我が家の抽斗の奥に眠っているかもしれない。

 

ラジカセの中でも筆者が特に好きだったのが、なんでも一体化させた多機能タイプのもの。

ラジカセはなんでも一体化する多機能型

ついにはレコード機能も搭載

なぜすべてひとつにしようとする…

ここまでくるとガラパゴス化ですね。
(でも欲しかった)

あの時代は、ラジカセとミニコンポとかモジュラーステレオ(言葉がわからない若者はググってネ!)を保有するのが中高生の夢でした。

 

多機能ラジカセの嚆矢のひとつとなる、自分が最初に欲しくなったラジカセは、ソニーから出たカセットテープが2つ使えて(1つは再生専用)ダビングが容易にできる機能のもの。

いわゆるダブルカセットの先駆けな機種

これ、メチャメチャ欲しかったんだよなあ。
カタログ、今もウチにあるかも。

ちなみにダブルカセットのブームが来るのは80年代中ごろから。
(のハズ)
この機種の登場は’77年くらいだったかと思うので、ホントに先駆だった。
でも、発売当時はダビングが主目的というより、英会話(LL)用途がメインだったと思う。

 

上の機種は残念ながら買わなかったんだけど、代わりに筆者が初めて手に入れたのが、テレビの音声が聞けて録音できる機種。

現物展示がありました!

これこれ!
テレビと同じダイヤルでガチャガチャ選局するのである

オートシャットオフ機能のせいで、録音しててもテープエンドになると放送の音もぜんぶ切れてしまうのがタマにキズ、でしたが…
(おかげで録音失敗するのも日常茶飯だった)

それにしても、こうして再会すると、手放しちゃったけれどどうにも所有欲が再発しますね…

 

次に欲しくなったのが小型テレビが実装されたやつ。
いわゆる「ラテカセ」ってやつですね。

今回の展示でもかなりな種類が並べられていました。

(たぶん松崎氏も好きなんだろうなあ…)




3型くらいの白黒テレビが一体化になってて、そりゃもう欲しくてほしくてたまんなかったデスよ。

ま、今の時代にはスマホでもワンセグが見られる時代なんですが、当時はブラウン管だし、これを持ち出して外でテレビを見ることができるってのはチョー画期的でした。

 

そんな中でもいちばん欲しかった機種がこれ!!

ソニー「JACKAL」!!!!

このメカメカしいフェイス、今見てもドキドキワクワクが止まらないっす。

正面

とにかくこれ一台でなーんでもできたわけですから、屋内だけでなくこいつを抱えて列車に乗って旅行に行くなんてぇ光景も見かけましたっけ。

改めて見ても”名機”です。

 

で、このJACKALは所有できなかったんだけど、ソニーの後継機でこの己の欲望を満たすことになります。

それがTRYZEE

実機はなかったけど、カタログの展示がありました

いの機種の何がスゴいって、ステレオであることと、当時開始されて間もない音声多重放送が受信できたということ。
モニタこそ白黒だったけれど、”なんでも一体化”の局地だったと思います。

高校の頃こんなデカクソ重たいやつを背負子に担いで、天文研の合宿に行ったもんですよ…

ちなみにこの機種、単一電池8個必要でした。たしか。

 

と、ここまで自分の保有したのはソニー製ばかり。
今回はラジカセ展なのでコンポは触れてないけれど、家で買ったモジュラーステレオもソニーの「CROCCO」(クロッコ)という機種でした。
※蛇足だけれど、CROCCOはレコードがボタン操作でプレイできるオートプレイ機能のもの。

 

そんな感じで筆者の場合かなりガチガチのソニー信者だったわけなんですが、
ソニーのは壊れやすかったなぁ…

いわゆる「ソニータイマー」。
当時も今もその特性は変わりませんね。
後に買ったベータマックスも、リニアスケーティングというニッチな開閉機構がウリだったけど、やっばりその部分が調子が悪くなってたし。

んーまぁ、そこがまたSONYでもある、と納得の上で付き合ってたわけなんですけど。
今で言うならApple信者と同じ気持ちなんでしょうね。

 

まあ、それ以後はラジカセはSONYからAIWA派になって、次に買うグライコ搭載・スピーカー部着脱式ダブルカセットはAIWA。

ウォークマン型プレーヤーも3台続けてAIWA製でしたね。
ちょうど見つかったので私物掲載。

これは所有二代目

初代のときも、もともと予備校で授業を録音する目的で録音機能・内蔵マイク付きを選んでて、その流れで同様のものだった。
ラジオ聴けるのもマストですよね。

これ以後はべつに録音が必要でなくなったのと、
(まあ、別の意味で会議や取材用のカセット録音機は買いましたが)
時代がCDに移っていったため、ウォークマン型の保有は終了。
ディスクマンを以降3台買い替えしていきましたね。

もちろんそのあとはiPodなんかの音楽プレーヤーなるわけですが。

 

じっくり調べれば自分のこれまでに保有した機種の型番なんかも詳しく書けると思うんだけど、そんな悠長なコトを言ってられないくらいこのラジカセ群を目にした気持ちが昂ぶってるんで、スミマセンが端折ります。

 

続いてカセットテープの展示も。


このコーナーでは各著名人の”カセット愛”をテーマにした展示が。

中でも特筆すべきは、自身がオリジナルの歌を作りカセットテープでマイ・アルバムを自作し続けていた、みうらじゅん先生。

氏のそのカセットアルバムは、実は数年前にDVDアルバムとしてまとめられ、熱い童貞マインドをたっぷりと堪能できます。

DTF[童貞編非童貞編]
DTF [童貞編] [DVD]DTF[非童貞編] [DVD]
(注)カセットテープではない。

山田五郎氏との解説と共に贈られる内容は、[童貞編]1300分、[非童貞編]947分と長大なのですが、ひとりの少年がおとなになっていく過程を彼(もちろんみうらじゅん)の作詞作曲自演で当時録音された、まさに生(き)のまんまの悶々とした感情が記録されているという一大大河ドラマのような素晴らしい出来で、なんだかよくわからない感動が湧き上がる逸品となっています。
ひとりの十代の男子の、妄執の定点観測のような記録。
ドキュメンタリーとして見るとこれは凄い作品で、バラエティではなくちゃんとした研究素材としてどっかでぜひ活用してみてほしいくらい。思春期心理の貴重、稀有な資料だと思えます。

聴く価値は充分にある、大名作ですよ! 超おすすめ。
マジで。ホント。

 

そんなこんなで記事予定も考えてなかったので撮った写真も甘いもんばかりですが、
この想いを鎮めるために今回はアップいたしました。

この『大ラジカセ展』、東京だけでなく他の地域でもぜひ開催して当時のラジカセ少年たちの熱い思いを再燃させてほしいし、
(じっさい割と40代くらいのおじさん達が多かった)
もっと大規模に展示してほしいものです。

今回のチラシと入場券

チラシにはカセットインデックスになる切り抜きが!!


※ちゃんと表裏がある

この”痒いところに手が届く”ような凝りまくりの意匠に更に感動。

入場料500円で、それ以上の満足感のあるイベントでした。

 

こういう、ビジュアルそのものに魅力あるジャンルって、いいですね。

 

 

ラジカセ for フューチャー: 新たに根付くラジカセ・カセット文化の潮流
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メイド・イン・ジャパンのデザイン! 70 年代 アナログ家電カタログ
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